ごあいさつ

 1976年2月に香川県の瀬戸内・小島・豊島(てしま)で起きた反対住民の声はその後の四半世紀にわたる公害問題「豊島事件」の始まりでした。それは日本最大規模の不法投棄問題の発端で、1425人の島民は香川県に対して島内での産廃事業の差し止めを求めて陳情を開始しましたが、話し合いは紛糾のまま時間だけが過ぎました。大掛かりな公害調停に発展したこの事件は、著名な中坊公平弁護士の手を経て、2000年6月に調停が成立、香川県が正式に行政上の不手際を認めて住民に謝罪しました。事件がその後の環境問題の前進を加速する形になり、日本政府も20世紀の「大量生産・大量消費・大量廃棄」という考え方の限界を打開するため、資源の有効再利用をめざした「循環型社会の形成」に向けて新しい歩みを始めました。同年6月2日には〔循環型社会形成基本法〕の公布へとつながり、既存の産業廃棄物処理法の改正、各種規制の制定へと大きく状況が変化し続け、明年初頭からの施行が決定した〔自動車リサイクル法〕の成立となっていきました。

 世界的な自動車生産国であります日本にとって、大量に生産され、そして廃棄される運命にある自動車の適正処理とその資源再利用についての法制化はきわめて重要な問題です。近年まで、新車・中古車流通の体系化は巨大資本の積極介入等でどんどん近代化が進められてきたのですが、こと廃棄車両の処理に関しては今回の自動車リサイクル法の施行を待つまで、本質的にはなんら対策が施されずに歩んできた部分であったといえるでしょう。法制化実現はむしろ遅きに失したといわねばなりません。
廃棄自動車処理業界にありましては、環境保全の意識が希薄なまま長期間に渡り勝手な流通形態をとり、不適切な処理体系を持つ不適格事業者は、今回の法施行により淘汰が余儀ないものになる運命にあります。さらに要を担う新車販売事業者・車検整備事業者・板金塗装事業者・部品流通事業者の間にありましても十分な理解が未だに成熟せず、新法の円滑な運用にかなりの課題を残す気配も濃厚であります。行政も含め、消費者、自動車関係事業者、処理引き受け業者のすべてが更なる学習が必要と考えています。

 このような背景から、当社は、自動車解体業界及びリサイクル部品流通業界の実情、今後の自動車販売及び整備の関連業界の行く末を考察し、自動車リサイクル法の施行を契機として、中部地区における自動車リサイクル循環システムの構築とインフラ整備を使命とし、勇気を持って取組む所存であります。関係各位の特段のご高配を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶と致します。

有限会社 スリーアール東海
代表取締役 松原正和